受講生の声(2024年度修了生)

吉岡 京華さん
(製造業・データサイエンティスト / 2024年度修了生)
実際の利用者の声が反映されたリアルなデータに触れる貴重な経験
「実は、データサイエンスへの興味は学生時代からあったんです」と話すのは、大手製造業でデータサイエンティストとして活躍する吉岡さん。同志社大学生命医科学部で医用画像解析を研究していた吉岡さんは、新卒でプリンター関係の事業部に配属された後も、データ分析への思いを温めていた。
転機となったのは、社内交流会での先輩との出会いだった。「電気通信大学にデータアントレプレナーフェロープログラム(Data Entrepreneur Fellows Program、略称DEFP)というプログラムがあって、データサイエンスに興味があるならすごくいいよ」という一言が、彼女のキャリアを大きく変えることになる。
「入社3年目で、ちょうど自分のキャリアについて考えていた時期でした。画像アルゴリズム開発の業務は面白かったのですが、もっと幅広いデータを扱いたいという思いがありました」
実際の利用者の声が反映されたリアルなデータに触れる貴重な経験
DEFPの1年間は、吉岡さんにとって充実した学びの期間となった。特に印象に残っているのは、「データサイエンス特論」での実践的なグループワークの経験だという。
「母親向けの出産情報サイトの実際の投稿データを使って、グループで分析に取り組みました。私たちのチームは、佐賀県に焦点を当て、全国比較の中で育児関連の行政課題を分析しました。実際の利用者の声が反映されたリアルなデータに触れられるのは、DEFPならではの貴重な経験でした」
プログラムで学んだStreamlit(*)によるモック作成は、現在の業務で直接活用されている。「現場の方とのイメージ共有のためのプロトタイプを短時間で作れるようになり、コミュニケーションが格段にスムーズになりました。
多様な仲間との協働から得たもの
DEFPの特徴の一つは、異なる業界・職種の受講生とのグループワークだ。「良くも悪くも、メンバーの忙しさや分析経験などのバックグラウンドが異なるため、進め方に苦労することもありました。でも、それも含めて良い経験でした」と吉岡さんは振り返る。
「普段の業務では出会えない多様なバックグラウンドを持つ方々と一緒にデータ分析に取り組む経験は、他のeラーニングなどでは得られないDEFPならではの価値だと思います」
学んだスキルがすぐに現場で活躍
現在、吉岡さんはある製品開発の生産拠点と連携し、製造工程のデータ活用に取り組んでいる。「温度管理や製品移送のデータが工場に蓄積されているのですが、現場の方が手作業でデータを確認していた状況を改善し、スムーズな生産管理のための可視化やデータ分析を行っています」
もう一つのプロジェクトでは、動画解析技術を活用した生産性向上に取り組んでいる。「製造現場の作業者の動画を分析し、作業効率化につながる技術開発を進めています」
未来のデータサイエンティストへのメッセージ
「特定の専門を極めるのだけではなく、いろいろな引き出しを持って、課題が出てきた時にさまざまな方向からアプローチできるデータサイエンティストになりたい」と話す吉岡さん。DEFPでの学びは、その基盤となっている。
今後、DEFPの受講を検討している人に向けて、「受講期間の1年間は確かに大変です。でも、やりきるととても自信につながります。データ分析の経験がない方でも、やる気があれば必ず多くのことを学べます。むしろ、全てが新しくて、より身になることが多いかもしれません」と語る。
最後に、「ビジネス課題の解決経験がある方も、データ分析経験者も、それぞれ異なる視点を持ち寄ることで、お互いにとってすごく良い経験になると思います。新しいスキルを身につけてキャリアを広げたい人はぜひチャレンジしてください」と結んだ。
(*)Webアプリケーションを作成できる、Pythonのフレームワークのこと。
